闇に咲く華ー偽りの華ー
他愛のない話をしていると、急に仁くんと詩月が周りを見て警戒するかのように眉を潜める。
その姿にすぐ、今ここで何かが起きようとしているのを感じた。
2人は私の前に立つ。
そこから1分も経たないうちに、男たちがゾロゾロと出てきた。
如何にも不良でヤンキーですと言っているような風貌。
「やぁやぁ、こんな所に鬼龍の幹部君じゃないか。」
背は高いが、ひょろっとした体つき。
顔は痩けて目の下には隈が出来てる。
明らかにヤバそうな奴らですね。
そんなはたから見たら、変に注目を浴びそうな顔をした男が、後ろに何十人もの人が道を塞ぐように引き連れて来た。
「おや?後ろに綺麗な女を連れてるじゃないか。」
舐めるように全身を見られ、嫌な汗が背中をつたう。
この人、ヤバい…。
本能が逃げろと警笛を鳴らしてる。
「何の用だ、糞黒龍!!」
え!?
この人たちが黒龍!?
私がここに来るときにはっ倒した奴ら!?
顔が知られてるからヤバいのでは?
「鬼龍の癖に、良い女連れてんな。こっちに分けてくれないかね?」
「ぁあ"?テメェ、誰に話しかけてんだ?」
「仁、大樹さんに連ら!?」
言葉を遮るように襲いかかってきたのは、黒龍だ。
仁くんが応戦するも、こんな人数相手にしたらただでは済まない。