闇に咲く華ー偽りの華ー
車を見るなり絶叫。

広い!
でかい!
ふかふかすぎる!

北園の車よりもはるかに高級なことに、開いた口が塞がらない。

アホ顔を見られないために、窓の外に目をやる。

外みてばっかだな。

15分ほど走ると、暗い街からきれいな街に景色が変わった。

あまりの美しさに身を前に出していた。

「綺麗でしょ?やっとここまで落ち着いたのよ。」

隣に座る姫野さんが話し始めた。

いくら送り届けてあげるといってくれても、ホイホイとついていった自分に不信感を覚える。

というか、この人は何者なのかしら?

その思いを汲み取ったのか、姫野さんは私に笑っていた。

「フフッ。大丈夫よ、心配しないで。私は姫野莉依。こう見えて姫野組の組長なの。」

再び絶叫!

姫野さん、軽く言ってるけど、凄い発言だよ!?

再び豆鉄砲くらった!

私がアワアワしてると、姫野さんはさらに笑った。

「あ、姫野さんってやめてね!他人みたいでやなのよ。莉依さんね!」

そう言う姫野さん改め、莉依さん…。
私たちは本当に赤の他人よ。

「鬼龍はね、私の夫の父親の代から続いててね。今、私のばか息子が総長してるの。そこに詩月ちゃんはいるわ。まさかこんなところでお姉ちゃんに会えるとは。詩月ちゃん気にかけてたわよ?」

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