初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
「なんだ知らないのか? お前の家の借金は婚約の条件として、全て我が湯浅家が支払ってやったが、抵当に入っていたこの家屋敷は、買い取った我が家の物だ。 お前に残っているのは、僅かばかりの田畑だけだ」

「……嘘でしょ…… 。 まさかここまで抵当に入ってたなんて…… 」

 初めて聞かされた事実に、ガクガクッと身体中が震えてきた。

「……あんの、くそ親父めーーーーっ!! 」

 眉を吊り上げ、歯をギリギリッと、噛み締めて、怒りを露わにした私に、隆也さんは追い討ちを掛ける。

「売却はもう決まった事だ。 直ぐに買い手が見に来るからな。 2.3日中に、荷物を纏めて出て行け。 言っとくけど俺を頼るなよ」

「……っ! そんな急に無理よ!  待って、買うわ、何年かかっても、支払うから、この家だけは、他の人に売らないで!!」

 食い下がる私に、隆也さんはフッと鼻で笑った。


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