イケメンを好きになってはイケません⁈
「ちょ、だ、だめだって」
 わたしは、覆いかぶさってくる彼の胸板をこぶしで軽く叩いた。
「なんで?」
 腕立て伏せしてるみたいに、わたしの顔の脇に両手を置いて自分の体を支えたまま、上からじっと見つめてくる。
「なんでって……埃まみれだし」
「じゃあさ、これから一緒にシャワー浴びよっか?」

 も、もう、なんてことを言うんだ……
 絶句して顔を赤くしていると、彼は笑って、わたしをぎゅっと抱きしめた。

「もー。聡子さんってなんでそんなに可愛いんだよ」
「えー、からかってたの?」
 彼はいたずらっぽく目配せする。

 ……。

 こうやってもてあそばれているのは、年上としてはちょっと情けない気もするけど。

 いままでちゃんと男の人と付き合ったことがないんだから、まあ、仕方ないか。
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