イケメンを好きになってはイケません⁈
「ねえ、森下くん、お腹空いたんじゃない? 何か食べに行く?」

「うーん、たしかに食欲もだけど、こっちが先かな」
 そんなことを言いながら、彼はわたしのほうに体を寄せてきた。
 そして肩に手を回し、ぎゅっと抱き寄せると耳元で囁く。

「まず、掃除のご褒美ちょうだい」

「ご褒美って……どっちかといえばわたしがもらうほうだと思うけど」
「それはあとで、もういいって言うほどあげるけど……」
「えっ?」
「ああ、こっちのこと。でもさ、おれ、こんなに掃除したの、生まれてはじめてだから」
 彼はわたしの唇をそっと指でなでてくる。

「ちょっとだけ、ねぎらってほしいな」
「……」
 まだ答えも聞かないうちに、彼は吐息がかかるほど顔を寄せ、口づけた。

「……ん」
 口づけが深まってきて、そのままソファーに押し倒されそうに。
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