溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
一月が経過し。
「はい降りろー。降りたらグループ順で並べ~」
隣のクラスの担任の声で,窓越しに日をたっぷりと浴びていた私は,パチリと目を覚ました。
あれ……寝ちゃってた?
「真理,ならぶって」
優しく,隣に座る真香さんに肩を揺すられる。
普段通りの日常から少し抜け出て。
ー今日は,朝からの課外授業だ。
何でも,過疎化の進んだ地域を活性化させるため,私達が授業の一貫として活動するのだとか。
作業はとてもシンプルで,簡単。
同じ班の子達と,歴史あるその場所場所の説明を受け。
最後に場所ごとの説明を添えた,一目を引くデザインのポスターを作成するのだ。
人が来ないと頭を悩ませ,なのに来た人向けの物を作成する意味がよく分からないと思うけど。
そんな私個人の気持ちはお構い無く。
ポスターは,一グループ3ヶ所回るとして,大体2人で1枚となる計算。
5~7人で編成される班の中で,私と同じ人はと言うと……
真香さん。
千夏くん。
隣のクラスの,ショートがよく似合う堀さん。
堀さんと同じクラスの,森くん。
それから,少し前に知った,水上さん。
水上さんと言うのは,あゆなさんと一緒にいた,ポニーテールの女の子。
フルネームで,水上 美希と言うらしい。
今は,とろとろとバスを降りた私をじっと見ている。
少しつり目で,怒っても見えるけど……
さくっと並んでいた水上さんも,私と同じで眠たいんだろうなと思った。