溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
リーダーなんて向いてない。

そんなの分かっているのに…

この教室のメンバーなら,最低でも6人は私がまとめなくちゃいけない。

どうしてもやらなきゃいけないなら,私は教室の装飾,せめてミニドラメちゃんがいい。

絶対にそう伝えよう。

そう思って,私は前に出ると,室長の言葉を待つ。



「右のやつからじゃん勝ちにするか」

「いいよ」



勝った人から選ぶとかでもない。



「あっあの…」「「「最初はグー」」」



えっえ?



「「「じゃんけんポンっ」」」

「あ…」「「「あ」」」



咄嗟に私が出したのはパーだ。

皆,グーを出している。

嘘…



「じゃあ真理さんドラヌもんリーダーで」

「えっ」

「「「はいじゃんけん…」」」



待ってよ。

どうやってそんなもの…

凪,たすけて…

もちろん凪はいない。

そのまま異を唱えることも出来ず,私はドラヌもん製作のリーダーとなってしまった。
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