桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。

 *

 正悟は病院で頭を抱えていた。

 どうしてあの時、舌打ちを打ってしまったんだ。啓汰に対して打った舌打ちだったが、美桜は絶対に勘違いをしていたに違いない。


 憂鬱な気持ちで心臓外科病棟へと向かうと、看護師達がバタバタと仕事を行っていた。

「あっ、樋熊先生!美桜さん大丈夫ですか?」

 福田の声で顔を上げた正悟は、眉を寄せた。

「美桜……坂口さんに何かあったのか?」

「風邪を引いたから今日は休むって、連絡があったんですよ」

 美桜が風邪?

 昨日の今日で、仕事に出ずらかった?

 それとも俺に会いたくなかったのか?


「せい……先生……樋熊先生!!」

 福田が何度も俺を呼びながら、腰に手を置き見上げていた。

「先生聞いてますか?美桜さんのこと分かったら教えて下さいね。美桜さんがいないと忙しくてかないませんよ」

 プリプリと怒りながら福田は仕事に戻っていた。




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