桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
*
温かい……お日様に包まれているような心地で美桜は目を覚ました。
はぁーー。
よく眠ったな……。
目覚めたばかりの美桜は瞬きを繰り返しながら、今の自分の状況に愕然とした。自分の目の前に端正な顔立ちのイケメンが目を瞑り眠っているのだ。
正悟さんどうして。
美桜は叫び声を上げてしまいそうになるのを、口元を押さえながら飲み込んだ。
あれ?
そう言えば……私どうしたんだっけ?
確か熱を出して病院を休んで……。
どうして正悟さんが隣で寝ているの?
全く分からない状況下に置かれ、美桜はパニックをおこしていた。美桜があたふたとしていると、正悟さんが目を覚まし美桜の額に触れてきた。
「良かった。熱は下がったみたいだな」
正悟の優しく微笑む姿に、美桜の胸がキュンッと高鳴る。
正悟さん……。
あの時、私はあなたをここから追い出したというのに、心配して来てくれたんだ。胸がいっぱいになって、体が熱くなり、瞳に集まり出した涙で視界が揺れる。
「正悟さん、ごめんなさい。私……」
今にも泣き出しそうな私の頭を撫でながら、正悟さんが全てを包み込む様に抱きしめてくれた。
「大丈夫だよ。美桜……大丈夫だ」
いつもの優しく心に響く声にホッとした。
正悟さん……。
あなたはどして、そんなにも優しくなれるの……。
あなたの声が心に染みる。