零れ桜
「えっ?行くと迷惑にならない?美容師さんだから練習とかあるんじゃ、、、。」
「今日はないって言ってたんだよね。早めに帰る日って朝聞いたからさ!」
「そうなんだ。お父さんに連絡していいよって言われたら。」
「おう!分かった!」
私は父親に、今日は榎本くんのお姉さんにあいにいくから遅くなるけどいいかな?と送った。
「今、送ったから少ししたら来ると思う。」
「そっか、分かった。来るまで本の整理するわ。」
「えっ、私がするよ!当番だし。榎本くんは明日もしないといけないから。」
「いいの、いいの!することないからさ!」
ニカッと爽やかな笑顔を私に向けた。
あっ、笑った顔は変わってないや。明るい所も、どんな人にも手を差しのべてあげるところも変わってない。あの頃私は榎本くんのことを、、、。
図書室に夕陽の光がはいってきた。いつもならただの夕陽にしか思っていなかったけど、今日は榎本が隣にいるからいつもと違って見えた。榎本くんの髪が夕陽に照らされて金色に輝いていた。眩しいのはあまり好きではないけど、私はこの時にみたキラキラした景色を忘れない。
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