【短編】また会える日まで、君の幸せを願う


今は5月。
季節の花といえばやっぱりバラとかカーネーション、ナデシコ、、
あぁでも今朝三園さんがスズランが綺麗だよって教えてくれたっけ…

店内を回りながら直感で手に取る。

店内を2周ほどして、作業台に戻る。
結局手にしたのはピンクバラ5本にピンクのカーネーションをいくつかと、そしてすずらん。

種類は少ないけれど、花自体が大きめでボリュームが出る。

「これでよし、っと」
綺麗にラッピングしてサキさんの待つ休憩スペースに向かう。

「お待たせしました」
コーヒーを飲みながら机に置かれたお花を見てくつろぐ彼女に声をかけるとにっこり笑いかけられる。


「そういえばね、かほちゃんに紹介したい子がいるのよ!」

もうすぐ来ると思うんだけど…
そう言って腕時計を確認したそのとき、
リンリン♪と入口のベルが鳴った。


「サキさん!」
男の人の声がしたと同時に、こちらにやってきたのは

すらっとした、細身の男性だった。

そして、これが彼との出会いだった。

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