この世界で愛した君に永遠の恋をする

小学四年生の夏。海斗の家族、私の家族、咲来の家族で映画を見ることになった。映画を見たあと私達はフードコートで昼食を食べていた。その最中隣にいた咲来が
『奏は好きな子いないの？』
と聞いてきた。
だが私は恥ずかしくて海斗が好きとは言えなかった。『居ないよ。さらは？』ととりあえず聞いてみる。その返事は私が絶望するには充分すぎるものだった。
『私は海斗が好きなんだぁ。』
動揺が隠せなかった。学校も違う私が咲来に勝てるはずがない。絶望した。その後はみんなに気づかれないよう平然を装いさらの恋を応援するという方向で話は終わった。だが家に帰ってからは目に見えるほど元気がなくなっていた思う。
海斗が好きといったさらの声が頭を埋めている。
そして小学五年生の終わり頃、またみんなで遊ぶことになった。その時さらから笑顔でこう言われたのだ。
『私海斗と付き合えた！！！！』
私はまた絶望した。