明日はきっと、晴れ。


わたしが女だとわかった瞬間、
戦闘モードから一転して口説き始めたこいつらは、相当馬鹿なのだろう。

「んだよ女かよ!
ねぇちゃんも俺らと遊ぼうぜ?」

仮にも仲間の1人が倒れてるってのに。

めんどくさくなってずっと俯いていたけどそろそろ飽きた。
女の子は力が抜けて立てない様子だし。


「お前ら立場弁えろよ?」

その言葉とともに顔を上げニコッと笑えばリーダー格の男が消えた。

消えた、というより足元に落ちた。


その光景にわたしの後ろにいた男は後退りし始めて、
床を這いつくばりながらその場から逃げ出すからそいつにもひとつ笑顔をプレゼントした。


道の真ん中で伸びてるんじゃないわよ。

……邪魔だけどいいや。
校長に連絡して女の子の元へ駆け寄る。


「あっ、ありがとうございました…」
「ん、いいけどこんな時間に1人で外歩いちゃだめよ?あなた可愛いんだから、変な男に絡まれるわ」


座り込んだその子に肩を貸せば
彼女は震えた様子で立ち上がり、
お礼を言って歩き出した。

まだ力が入り切っていないらしく、
すぐにその場に座り込む。

その様子に放っておけなくなって、
近くまで送ることにした。


その後もこんな感じで何件か時間を片付けた。

1時になり、今日も仕事が終わった。

いつもならそのまままっすぐ家に帰るが昨日の昼に言われたことが気になって

繁華街の一角にある小さな公園の中に入りベンチに座る。
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