俺の世界には、君さえいればいい。
本当に何がこれから行われるんだろう…。
ざっと15人くらいは集まってしまった。
「ねぇなに、これ告白!?」
「てか櫻井くんだし…!うそっ、この中から選ばれるってこと!?」
「マジかよ…!!」
それにこんな状況をドアから覗く男子に女子、もう教室は卒業式よりも賑わいのようなものを見せていた。
それに……櫻井くん。
手に持ってるの、花束……?
それ、花束だよね…?
花束を持って教室に現れる男子高校生なんか見たことない…。
「───由比さん、」
「…!」
そして呼ばれた、私の名前。
端の席、目立たないように、小さく小さく座る私を簡単に見つけて近づいてくる。
「由比さん、」
「えっ、いや…でも、え、皆さんは…」
「由比さん、俺の前に立ってくれますか」
何かが始まろうとしている。
いや、これはもう確信だ。
そう分かると教室は一気に静けさとざわめきを生んだ。
「ねぇ、やっぱ由比さんなんだけど…!横山先輩じゃないの…!?」
「だって櫻井くんが振ったってウワサ立ってたじゃん…!なんかすごかったらしいよ?クラスの剣道部が言ってたけど」
「いや横山先輩を差し置いて由比さんとかおかしいでしょ……!!」