ノート
「信じてくれる先生や、一緒に訴えてくれる生徒だって一人は居るはずだから、案外抱え込まなくていいんだと思うよ」
綺羅は、私は出来なかったと繰り返した。
それだけなのに、なぜだか自分が悪いことをしているみたいな、後ろめたい気持ちになった。
「そういう人が居たんだね、秋には」
「自分のクラスが無理でも隣のクラスのやつと仲良くなったんだよ」
綺羅が、また大きな瞳で俺を見つめていた。
「案外クラス変わると、孤立事情なんか知らなかったり、関係がなかったりするから」
河辺のことを思い出す。隣のクラスのやつだし孤立しているかどうかなんてのは、聞くまではっきりわからない。
俺が聞きに行ったように。少し申し訳なかっただろうか。
「私、そんな余裕持てなかった」
なぜか、綺羅はややトゲがある言い方だった。長机が6つおかれた部屋に入り、一番右端にあるひとつの椅子に座り、彼女は言う。
「こんなに辛いのに、
なんでわかってくれないのってことしか考えなかったし。わかってくれる人も居るかもしれないなんて、思えなかった」
「そうか」
あまりの勢いにたじたじになりながら俺は答える。やばい、怒られるかとよくわからないけれど身構えた。
彼女は少し目を押さえた。
な、泣かせっ……!
焦っていると声。