ノート
「うん。まあ。
強引に自分の場所にされてしまったから。
俺行くとこがなくなったんだ。
人生のほとんどだったのに」
「なにそれ、ひっどい! なんでそこを奪うようなこと」
「なんか知らないけどあいつが、俺も孤立していると勘違いしてきて、
一方的に仲間だと思い込んでたことが原因なんだ。
同類だから仲良くしたいって。
たぶん孤立してたぶん寂しさもあって思い込みが強まっているんだと思う。
家とか勝手に調べてやってき」
ここまで言う必要はなかった、と途中でハッと気がついた。
「え、家まで、来たの」
綺羅が引いた顔をする。
「頼む、これはクラスのやつとかにいわないでくれ」
せっかく、その補填をすべく付き合っているのに、台無しになってしまうから俺は焦った。
「わかった……」
綺羅は一応うなずいてくれた。