跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
家で彼と顔を合わせるのは、朝の短時間だけになった。自分が目論んだ通りになっているのに、気分はどんどん沈んで辛くなるばかりだ。それが悪循環となって、よくない想像をしがちになる。

ギャラリーで岸本さんの姿を目にするたびに、千秋さんとふたり並んだ姿を想像してしまう自分や嫌になる。どこからどう見てもお似合いで、そこに私の入る余地なんてまったくない。

なにもかも投げ出したくなる中でもなんとか仕事にしがみついていられるのは、これが加藤の再建だけでなく及川の利益につながと信じているからだ。

頑張って成果を出せば、千秋さんに少しは認めてもらえるだろうか。
岸本さんのようなキャリアウーマンからしたら、取るに足らない小さな成功だったとしても、少しは成長したなって認めてもらえるかもしれない。

千秋さんの元を去るときには、せめて自分に自信を持てるようになっていたい。
私生活と仕事の狭間で揺れながら、ちっぽけなプライドだけを心の拠り所にしていた。

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