跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
最近は本当に忙しくしていたし、しっかり休むべきかもしれない。ベッドで少し横になろうかと立ち上がったそのとき、堪え切れない強い吐き気に襲われて、慌ててトイレに駆け込んだ。

実際に吐いたとなれば、気分的なものだけが理由ではないだろう。
昨夜も今朝も生ものは口にしていないし、ほかに吐き気につながるような食品はなかったはず。

念のため検温もしたが、平熱の範囲内だ。熱っぽいまではいかないが、若干ぼんやりとするのは体が不調を訴えているからか。
 
釈然としないまま口をゆすぎ、ふと壁に掛けられたカレンダーに目をやった。かわいらしい動物の写真が印刷されており、見るたびに顔が綻ぶそれは、殺風景なこのマンションを少しでも明るくしたくて私が用意したものだ。

そういえば、直近で生理が来たのはいつだったか。前回の生理は……。
なんとなく気になって、先月の部分を見ながら振り返る。

杜撰だとかガサツだと言われればそれまでだが、もとから周期にほとんど狂がないのもあって、自身の生理についてきちんと把握していなかった。せめてはじまった日ぐらいはと、アプリに記録する程度だ。

生理予定日の数日前になれば、胸の張りや肌荒れなどの予兆が必ず出る体質で、外れたことはほぼない。友人らには便利な体質だねと羨ましがられるほど正確で、私自身もそれを目安にしていた。

事前に日付を気にするなんて、なにか大きな予定と被りそうなときぐらいで、普段は熱心にカレンダーを眺めるほど意識していない。それはそれで、女としてもどうなのかと今さらながら情けなくなる。

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