跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「あっ、千秋さんだ」
ギャラリーの正面に止まったタクシーから、千秋さんが降りてくるのが見えた。
出迎えに行こうかとしたそのとき、千秋さんに続いて降りてくる岸本さんの姿に動きを止める。
「一緒に、来たんだ……」
目的地が同じなのだから、なにもおかしくない。
背の高い千秋さんの隣にスタイルのよい岸本さんが並ぶと、嫌いになるぐらい絵になる。お似合いだ。
そのままふたりを凝視していると、ふらついた岸本さんの腕を千秋さんがさっと掴んで助ける場面を目にしてしまった。お礼を言っているだろう岸本さんの顔は、いつも見せているような仕事上の笑みではなく、少しはにかむような素の表情だった。
そんな場面など見たくないのに、なぜか目を背けられなくなる。
入口に近付くふたりにハッとして踵を返そうとしたが、少し遅かったようだ。入って来た岸本さんが私に気づいて目を留めると、その真っ赤な唇が魅惑的な弧を描いた。
「あら、愛佳さん」
「お、お疲れ様です」
さっきのやりとりを目撃していたと、気づいているのだろう。どこか優越感に浸った岸本さんは、そのままギャラリーの中を進んでくる。コツコツと響くヒールの音が、私の耳に絡みつく。
ギャラリーの正面に止まったタクシーから、千秋さんが降りてくるのが見えた。
出迎えに行こうかとしたそのとき、千秋さんに続いて降りてくる岸本さんの姿に動きを止める。
「一緒に、来たんだ……」
目的地が同じなのだから、なにもおかしくない。
背の高い千秋さんの隣にスタイルのよい岸本さんが並ぶと、嫌いになるぐらい絵になる。お似合いだ。
そのままふたりを凝視していると、ふらついた岸本さんの腕を千秋さんがさっと掴んで助ける場面を目にしてしまった。お礼を言っているだろう岸本さんの顔は、いつも見せているような仕事上の笑みではなく、少しはにかむような素の表情だった。
そんな場面など見たくないのに、なぜか目を背けられなくなる。
入口に近付くふたりにハッとして踵を返そうとしたが、少し遅かったようだ。入って来た岸本さんが私に気づいて目を留めると、その真っ赤な唇が魅惑的な弧を描いた。
「あら、愛佳さん」
「お、お疲れ様です」
さっきのやりとりを目撃していたと、気づいているのだろう。どこか優越感に浸った岸本さんは、そのままギャラリーの中を進んでくる。コツコツと響くヒールの音が、私の耳に絡みつく。