跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「なあ、愛佳。難しい話は俺に任せておけばいい。お前はただ、俺の横でやりたいように過ごせばいいんだ」

「でもそれじゃあ千秋さんにしてもらうばかりで、私はなにも返せない」

「本来なら、なにもいらないって言ってやるとこなんだろうなあ」

千秋さんが優しい目で私を見下ろしてくるから、無性に甘えたくなる。
でもそんなのだめだと、首を小さく横に振る。

「でもなあ、愛佳。俺はもう十分、愛佳からもらってるぞ。愛佳が隣で頑張っている姿に、俺も刺激されている。明るい笑顔に癒されるし、なにより、愛佳は俺の子を生んでくれるんだろ? ああ、言っとくが、俺と愛佳の子でないと意味がないぞ。お前以外の誰かとの子など、俺は望んでいない」

「私との、子?」

千秋さんはそれを望んでくれるというのか。

「ああ、そうだ。俺は愛佳との子しかいらない」

まっすぐに伝えられた言葉に、私ではだめだとかたくなだった気持ちが溶かされていくようだ。

「私でも、千秋さんの役に立ててる?」

自信のない私は、確信を得たくてしつこく尋ねてしまう。

「当然だ。もう愛佳のいない生活なんて、俺には考えられない」

「千秋さん!」

たまらずガバリと抱き着くと、千秋さんが抱きしめ返してくれた。

「ありがとう」

「ああ」

目を閉じて、頭をなでてくれる彼の手を堪能する。

「いろいろと、ごめんなさい」

千秋さんの胸元に額をぐりぐりとこすりつけて、ここぞとばかりに甘えた。

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