跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「まあ、子どもは他所でも作れるが、それは倫理に反する。なるほど。最初の約束でもあったし、たしかに愛佳にしかできないな。」

よ、他所で!?
すごい発言をされた気がするが、それよりも千秋さんはなぜここで納得しているのかがわからない。
まさか、本気なのだろうか。

よせばいいのにチラッと視線を上げれば、値踏みをするようにじっとりと見られていると気づいてしまった。
獲物を品定めするかのような執拗な視線に、ぶるりと身を震わせる。なにかを言われたりされたりしているわけでもないのにとにかく恥ずかしくて、庇うように自身の体に腕を巻きつけた。

「気に入った」

なにを!? だなんて、こちらからは絶対に尋ねられない。

「その満点の回答を、受け取らせてもらおうか」

「ま、満点!?」

驚いて、素っ頓狂な声が飛び出す。

「じょ、冗談でしょ?」

「つまらん冗談など好かないな。俺は本気だ」

本気って……。
千秋さんは、私とそういう行為を本当にするつもりなのか。

「せっかく愛佳がこうやって誘ってくれてるんだ。今から作ろうか、子どもを」

誘ったつもりなどまったくない。さっきのは苦し紛れに出ただけだ。

「何回でできるんだろうなあ、愛佳」

つまり、妊娠するまで複数回体を重ねると示唆されているのか。
ほんの少し顎を上げながら色気をまとった流し目を向けられて、心臓がバクバクと早鐘を打ち出す。

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