跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
午後の休憩の時間に、どうしたら岸本さんみたいに仕事ができるようになるのかと、思い切って尋ねてみた。
「愛佳さんは、どちらかと言えば感覚で考えがちなんじゃないかしら」
「感覚、ですか?」
意味がわからなくて首を傾げる私に、岸本さんがくすりと笑う。
「ええ。例えばそうねえ……ちょうど今やっている、マンションに使用するタイルを例にするわ。使用するタイルを、二色で迷ったとするわね。ひとつは明るめの青。もうひとつはそれに比べて若干暗い色味の青。ふたつともテイストは違うのに、デザインは両方ともマッチしているから、どちらを選んでも間違ではない。そんな条件で一色に絞るとしたら、愛佳さんならどうやって決める?」
「難しいですね。デザイン的にとちらでも申し分がないのかあ。うーん……。その部屋に住むだろう家族構成を考えて、ファミリーを想定しているのならお子さんには明るい色味がよさそう、とか?」
いきなり色だけ提示されても、ほかの情報がないとなかなか答えが出せない。ターゲットにしている年代や、マンションのどの場所に使うかを設定しないと先へ進めそうにない。
とはいえ、それらを考えだしたらキリがない。正解なんて無数に広がっているようで限定できず、迷いながら苦し紛れの答えしか出せなかった。
「愛佳さんは、どちらかと言えば感覚で考えがちなんじゃないかしら」
「感覚、ですか?」
意味がわからなくて首を傾げる私に、岸本さんがくすりと笑う。
「ええ。例えばそうねえ……ちょうど今やっている、マンションに使用するタイルを例にするわ。使用するタイルを、二色で迷ったとするわね。ひとつは明るめの青。もうひとつはそれに比べて若干暗い色味の青。ふたつともテイストは違うのに、デザインは両方ともマッチしているから、どちらを選んでも間違ではない。そんな条件で一色に絞るとしたら、愛佳さんならどうやって決める?」
「難しいですね。デザイン的にとちらでも申し分がないのかあ。うーん……。その部屋に住むだろう家族構成を考えて、ファミリーを想定しているのならお子さんには明るい色味がよさそう、とか?」
いきなり色だけ提示されても、ほかの情報がないとなかなか答えが出せない。ターゲットにしている年代や、マンションのどの場所に使うかを設定しないと先へ進めそうにない。
とはいえ、それらを考えだしたらキリがない。正解なんて無数に広がっているようで限定できず、迷いながら苦し紛れの答えしか出せなかった。