桜が咲く頃に、私は
To you who are fifteen years old
昼休みが終わり、翠を連れて学校を抜け出して空の家に戻ると、アパートの前にスタイルの良い、ボロアパートには似つかわしくない女性が立っていた。


なんか、どこかで見たことのある女性だけど……勘違いかな?


そんな女性が私達に気付いたようで、こちらに向かって歩いて来て。


「ちょっと、あなたがいるってことは、空のアパートはここであってるのね? 冗談だと思ったら本当に一緒に住んでるってわけ?」


「……あ! 思い出した! こいつ天川の元カノだ! ほら、こっぴどく振られたやつ! 確か花子!」


「名前で呼ぶなっての!」


ああ、どこかで見たと思ったら花子だ。


なんか面倒なことになりそうだな。


私と空は付き合ってることになっていて、その演技をした方が良いよね?


「で、その花子がうちに何の用? 今日は構ってるほど暇じゃないんだけど」


「また名前! 誰も空の家を教えてくれなかったから、今日偶然街で見掛けた空の後を尾行したけど見失って……でも良かったわ」


今日は空も、誕生日のお祝いの為に仕事を休んで買い物に行ってくるって言っていたけど……。


こいつ本気で言ってるのかな。


想像以上にヤバいストーカーじゃないの?
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