桜が咲く頃に、私は
「あれだけ派手に振られたってのに、未練タラタラでストーキングなんて、どれだけキモいんだよ。もう終わったんだから諦めなよ。見苦しいよ花子」


呆れたように翠がため息をついてそう言ったけど、花子は今にも泣き出しそうな表情で。


「そんなの! 言われなくたってわかってるわよ! でも、納得出来ないじゃない……いきなりあんな風に別れられても」


あの時は、あんな風に花子と別れた空の気持ちは表面上しかわかっていなかった。


でも……今なら、今になってようやくだけど、わかるよ。


空は、花子に嫌われようとしていたんだ。


だけど花子は、今もこうして空を追い掛けるほどに好きで、諦めたわけじゃない。


悲しみが待っているのがわかっているから、空は別れを決断したのに。


私が花子を追い返してもいいけど、きっと、花子は納得出来る言葉を求めているのだろう。


なんて、今の私の状況を重ねてしまっている。


「……いいよ。会って行きなよ。納得しないまま帰っても、スッキリしないでしょ?」


私の言葉に、翠が潰れたような声を出して驚く。


「えっ! あんた何言ってんのよ! 天川の問題なのにあんたが勝手に決めて!」


「いいんだよ。花子の気持ち、痛いほどよくわかるからさ」
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