双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「ケガはなかったですが、明らかに私に対する敵意を感じてすごく怖くなってしまって。そんなときに旅館の方にも嫌がらせみたいなことがあって……」

「嫌がらせ?」

まさかこんな形でカミングアウトすることになるなんて思いもしなかった。

「頼んでいない食品が多量に厨房に届いたり、無言電話が続いていたり……口コミサイトでも明らかな低評価が連続で投稿されたり、最近いろいろあって」

「そうだったのか。警察に相談は? 心当たりはあるのか?」

「旅館への嫌がらせの件は、警察の方に父と弟が相談しています。心当りは、その……」

確信はない。それでも四年前と同じ状況がこのタイミングで訪れたことに、その仮説を疑わずにはいられない。

でもそれはきっと、蒼斗さんにとっては知りたくない事実だろう。気を悪くさせてしまうのは容易に推測でき、話すか迷っている。

「心当たりがあるんだな?」

私の様子からそう悟った蒼斗さんが、ギュッと私の手を握った。
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