双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
この先どんな風になっていくのかは分からない。旅館への嫌がらせが蒼斗さんのお父さんの差し金だとしたら話はこじれにこじれるだろう。

お風呂から上がり、リビングに戻ると仁紀が寝室から戻ってきたところだった。

「ふたりとも爆睡だよ。それにしても蒼汰の寝相はすごいな」

「そうなの。いくら布団をかけてもすぐにどこかにいっちゃうの」

蒼斗さんが実家に行ってから二時間近く経過していた。

そわそわと気持ちが落ち着かなくて、気づけば携帯ばかり気にしている。いまだに蒼斗さんから連絡はない。

「仁紀、明日も仕事があるし寝ていいよ」

うとうとし始めた仁紀に声をかけた。仕事で疲れているだろうに巻き込んでしまって非常に申し訳ない。

「遅番だから大丈夫だよ」

仁紀はそう言って笑ってみせた。

「これ以上は申し訳ないよ。私ここでもう少し起きているから、仁紀は蒼汰たちのところで寝てきて。なにかあったら呼ぶから」

「分かった。お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」

仁紀はしばらく考え込んだが、最後は立ち上がって蒼汰たちのところに向かった。
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