双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
シーンと静まり返ったリビングでひとり、蒼斗さんからの連絡を待つ。じきに日付が変わろうとしている。

気持ちを落ち着かせるために紅茶でも淹れることにしよう。

ダイニングに向かいお湯を沸かそうとケトルに水を入れていたそのとき。

ガチャッ──

玄関のドアが開く音がして、慌ててそちらに向かった。

「おかえりなさい……」

「ただいま。遅くなってすまない」

そこには蒼斗さんの姿があった。少し疲れているように思えたが、その表情からは話がどんな風に進んだかは予想がつかない。

「いえ。仕事で疲れているなかすみません。……お話はできましたか?」

リビングに戻ると、蒼斗さんの目をまっすぐに見つめながらそう尋ねた。緊張から極限にまで跳ね上がった心音が頭にまで響いて、気持ちが悪い。

「ああ。両親に話を聞いてきたが、どうやら嫌がらせの犯人は父ではないようだ。四年前も今回も、封書の件も父は関与していないそうだ」

「そう、でしたか」

四年前の出来事。

あれには蒼斗さんのお父さんが関与していたと、ずっと思っていた私にとって蒼斗さんからの言葉は衝撃的だった。
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