「affair」
「それに、公になって彼に迷惑かけたくないの。
京に慰謝料とか請求されたり、職場に言われたりしたら困るから」
美織さんは、その塾では人気講師みたいで。
相手はどうかは知らないけど、
二人共、職場にはその不倫関係を隠していて。
無事に離婚してから、その関係を公にするのだろう。
「今度、花純ちゃんのクラスで同窓会あるんでしょ?
京も誘われているって言ってた」
そう言って、
「その日、京を誘惑して?」
そう、お願いされた。
それまでに、美織さんは結城先生に冷たくするし、
少し、不倫を匂わせる行動を取ると。
そうやって、結城先生の心を不安定にさせるから…、後は、お願い、と。
「花純ちゃんと京との不貞をネタに、京には離婚を迫るけど。
絶対に、高畑君には知られないようにするから」
そう、美織さんは言ったけど。
私には、全てを失う覚悟があった。
あの日、結城先生と関係を持ってから。