「affair」
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえて来る。
「お前が来る前に…110番した…俺の浮気相手が…今から…俺の妻を殺しに…来るって…言ってるって…」
私の手に持つ包丁には、私の指紋が付いただろうし、
今現在、私がこの人を刺し殺したような形。
私の手を掴んでいる結城先生の手も、
刺さる包丁を引き抜こうと、私の手を掴んだようにも見えるだろう。
「死んだ…高畑に悪いと思って、俺との関係を…辞めてりゃあ…お前は…こんな目に合わないのに…」
私はこのまま、駆け付けた警察官に、
美織さんと結城先生への殺人容疑で捕まるのだろう。
「俺の事…もう見るなよ…」
結城先生は、その言葉を最後に、もう口を開かない。
その私の手を握る力が消え、
私が包丁を結城先生から引き抜くと、
結城先生はゆっくりと床へと崩れ落ちた。
私はそれを目にし、包丁の刃を自分の首へと当てた。
それで首を引き裂こうとした瞬間。
チャイムが、鳴り響いた。
何度かチャイムが鳴った後、鍵の掛かっていないこの家に、数名の警察官が踏み込んで来た。
「18時07分。殺人の容疑で現行犯逮捕する」
と、一人の警察官が私の腕を掴み、その衝動で包丁が手から落ちた。
(終わり)
「お前が来る前に…110番した…俺の浮気相手が…今から…俺の妻を殺しに…来るって…言ってるって…」
私の手に持つ包丁には、私の指紋が付いただろうし、
今現在、私がこの人を刺し殺したような形。
私の手を掴んでいる結城先生の手も、
刺さる包丁を引き抜こうと、私の手を掴んだようにも見えるだろう。
「死んだ…高畑に悪いと思って、俺との関係を…辞めてりゃあ…お前は…こんな目に合わないのに…」
私はこのまま、駆け付けた警察官に、
美織さんと結城先生への殺人容疑で捕まるのだろう。
「俺の事…もう見るなよ…」
結城先生は、その言葉を最後に、もう口を開かない。
その私の手を握る力が消え、
私が包丁を結城先生から引き抜くと、
結城先生はゆっくりと床へと崩れ落ちた。
私はそれを目にし、包丁の刃を自分の首へと当てた。
それで首を引き裂こうとした瞬間。
チャイムが、鳴り響いた。
何度かチャイムが鳴った後、鍵の掛かっていないこの家に、数名の警察官が踏み込んで来た。
「18時07分。殺人の容疑で現行犯逮捕する」
と、一人の警察官が私の腕を掴み、その衝動で包丁が手から落ちた。
(終わり)


