身ごもり一夜、最後のキス~エリート外科医の切なくも激しい執愛~
「星来も?」
「あっ……」
アキくんはわざと音を鳴らした。
とにかく恥ずかしくなるような感覚に追い立てられる。
彼の両手は私の腰を押さえていた。
じゃあ今私を下から攻めているものはなんだろう。
「アキくん……」
腰を押し付けられている。
今夜私はアキくんのものになる。
「俺とこうなったこと忘れないで」
「忘れないよ」
アキくんも忘れないで。
「ん、あ……」
電気が走るくらいの鋭い刺激と、甘く絶え間ない疼きに身を任せる。
彼は水晶の目を閉じ、吐息とともに体を揺らした。
「アキくん、アキくん……」
「星来……」
もっとアキくんを私の中に刻み付けてほしい。
ソファーが音を立てて揺れる。
何度涙が零れようと、私は夢中で抱きつき、彼を求める。
不思議とアキくんも泣いているように見えた。
雨のせいだろうか──。

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