絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 というよりも、げんなりというか、うんざりというか、ユーグさんからはそんな雰囲気が漂っていた。
「どうしたユーグ、さっきから黙り込んで。食い過ぎたか?」
「……たしかに、いろんな意味でお腹がいっぱいですよ」
 ここでユーグさんは、一度わたしに視線を移した。
 ん?
「ルーナは私の常識ではまるで推し測れない。同様に、堅物のあなたのこんなふうにとろけた顔を見る日が来るなど、これもまったくの想定外です」
 ユーグさんは再びレリウスさまに目線を戻して続けた。
「副官として共に数多の戦をくぐり抜け、戦場の外では交渉事に疎いあなたに代わって王宮他、他所との折衝を熟し、世の中を知り尽くしているつもりでいましたが、どうやら私はあなたの言うところの頭でっかちになっていたようです。世の中というのは、存外に奥が深い」
「いや、なに。俺こそ、戦場ではともかく、それ以外では他所とのやり取りをお前に任せきりにしておきながら、ずいぶんと偉そうなことを言った。俺よりお前の方がよほど世情に明るいのは純然たる事実だ」
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