絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ……レリウスさまは、ほんとにわたしが魔物でもいいの?
 レリウスさまにされるがまま顔中をなで回されながら、わたしは困惑しきりでパチパチと瞬きを繰り返した。
「伝承によれば、古の人間が有益に魔法を活用していたのとは対照的に、知性と理性に劣る動物は己の有する魔法を御せずに凶暴化し、『魔物』と呼ばれ厭われてきたと言われています。仮にルーナが魔物なら、現代にも魔法が息づいているという事実に加え、『凶暴』という魔物の定義が覆ります。どちらにせよ歴史を変える大発見です」
「もしルーナが魔物なら、そうなるな。だが、ルーナは魔法など使えん。だからルーナは、魔物ではあり得ないがな」
 ……ううん。それがね、実は使えちゃうんだよ。
 心の中でしょんぼりと漏らした声は、当然レリウスさまには届かない。
「では、レリウスさまは見解そのものには否定的なわけですね」
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