絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
コリンは奥歯が軋むくらいきつく噛みしめ、苦々しく同意した。握り締めた彼の拳は小刻みに震え、さらに手のひらに爪が食い込んで切れたのだろう、その手に朱色の滴りが滲んでいるのが見えた。
コリンの心情を思うと内側からあふれるような怒りとやるせなさが湧いてきて、段々と遠ざかるグレス書記官の背中を睨みながら、わたしもまたわなわなと体を震わせた。
グレス書記官は数メートル先の分かれ道で中央棟に続く歩行路に消えていき、コリンもなんとか表情を取り繕い、足早に厩舎前のエリアへと向かっていった。この頃には、出陣の支度を整えた騎士らが続々と集まって来ており、コリンも仲間たちと合流していた。
どうしよう。このままじゃ、征伐隊が……レリウスさまが危ない!
……なんとか、わたしも部隊に同行できないだろうか?
知ってしまったからには放っておくなんてできなかった。
茂みから出たわたしは、周囲の目を気にしつつ、じりじりと厩舎の入口へと近付いていった。
その時。宿舎棟の方向から、ひとりの男性が厩舎に駆け込んでいくのが見えた。
コリンの心情を思うと内側からあふれるような怒りとやるせなさが湧いてきて、段々と遠ざかるグレス書記官の背中を睨みながら、わたしもまたわなわなと体を震わせた。
グレス書記官は数メートル先の分かれ道で中央棟に続く歩行路に消えていき、コリンもなんとか表情を取り繕い、足早に厩舎前のエリアへと向かっていった。この頃には、出陣の支度を整えた騎士らが続々と集まって来ており、コリンも仲間たちと合流していた。
どうしよう。このままじゃ、征伐隊が……レリウスさまが危ない!
……なんとか、わたしも部隊に同行できないだろうか?
知ってしまったからには放っておくなんてできなかった。
茂みから出たわたしは、周囲の目を気にしつつ、じりじりと厩舎の入口へと近付いていった。
その時。宿舎棟の方向から、ひとりの男性が厩舎に駆け込んでいくのが見えた。