絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 わたしがパパに視線を向けたら、パパはルルを撫でる手を止めて、ちょっと早口で答えた。元刑事のパパはゴリラのような巨体で、目が合った子供が漏れなく泣きだすほどの強面だが、その性格はとても温厚でシャイだった。
『そっか。ありがとう、パパ!』
 出不精のパパがふらっとデパートになんて行かないことはわかりきっていたけれど、わたしは素直に頷いてお礼を言った。
 パパは照れたようにクシャリと笑った。
『月乃は昔から肉、好きだったからな』
『うん! お肉大好き!』
 だけど、美味しそうなのはお肉だけじゃない。付け合わせのほうれん草のソテーに人参のグラッセ、既に卓上で温かな湯気を立てている具だくさんのスープも、どれもこれもが目にまぶしいくらい。
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