絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ユーグの膝の上でもだもだと身悶えするかわいすぎるルーナ。
 ……ぐぬぬぬぬ。いまやこめかみの血管は、いつ破れてもおかしくないほどクッキリと浮き上がっていた。
「やれやれ。二メートル超えの脳筋ゴリラが羞恥に頬を染めながら結婚を報告してきた時には殺意を覚えましたが、ルーナ、あなたはかわいくていけない」
 ユーグはルーナの頭に手を添えたままチラリと俺を流し見て、もう一度ルーナに視線を戻す。
《みゃぁ(えぇっと、ユーグさん?)》
「フッ。いえ、あなたたちは本当に似た者夫婦ですね。……さぁ、ルーナ。これ以上は新婚夫の血管が千切れてしまいそうだ。大惨事になる前に、あちらに戻ってやりなさい」
《みゃ(わっ?)》
 ユーグはヒョイッとルーナを片手で抱き上げると少しだけ馬を寄せ、俺に差し出した。
「ルーナ……!」
 俺はルーナを受け取ると、ユーグの匂いを払うように頭から首後ろ、腹周りにかけてわしゃわしゃとやわらかな毛をなで回した。
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