絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 レリウスさまが指差すカフェの店先に【祝・ワーグナー筆頭大臣失脚記念スイーツ販売中!】と書かれたのぼりが揺れているのを見つけ、わたしはギョッとして身を乗り出した。
《みゃあぁ(もしかしてあれ……!)》
 王宮敷地の横手に設えられた守衛門にほど近い立地……あれって、掃除係の女性のお父さんが経営してるカフェじゃない!?
「さっそくワーグナー筆頭大臣の失脚を商売に反映させるとは、王都の民は商魂たくましいな」
 レリウスさまが感心したように呟いた。
 ……っていうか、失脚記念のスイーツってどんなのなんだろう?
「ルーナ。興味があるなら今度一緒に行ってみるか? テラス席があるようだ、あそこならお前と一緒でも入店できるだろう」
 興味が湧いてジーッと見つめていたら、レリウスさまからとってもうれしい提案を受けた。
《ふみゃあっ(わぁあ、楽しみっ! 今の、約束だよ?)》
 わたしは伸び上がって、スリスリとレリウスさまの胸に頬ずりした。
「ああ、約束だ」
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