絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「いいや、事実だ。マリウス、お前にだからすべて打ち明けるが、ルーナは天女なんだ。今はヤマネコの姿だが、月明かりの下ではそれはそれは麗しい女性になる。そして一昨日の征伐では、ルーナの援助によって俺の部隊は九死に一生を得た。ルーナの助けがなくば、部隊は全滅すらあり得る状況だった」
 だからね、レリウスさま。わたしは天女じゃなくて魔物ですってば。
「ほぅ。兄の俺を差し置いて天女を手にしたか」
 え? ちょっと待って。王様は今の言葉で納得しちゃったの?
 それって、逆にビックリだよ。
「やらんぞ。ルーナは俺の妻だ」
「ハッ、いらんいらん。俺には愛する王妃とかわいい王子がいるからな。そのモップはお前が持っておけばいい」
 ……あのですね。ふたりとも、当たり前のように口にしてるけど、「天女」も「モップ」もどっちも間違ってる!
「それはなにより。あとは正式に結婚するためにルーナの戸籍が欲しい。今回の征伐成功の褒賞はそれで頼むぞ」
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