絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「あんまり調子に乗って食べすぎると腹を壊すぞ。ペロルはこれが最後だ」
《ふみゃっ(ちぇっ)》
 ま、いいんだけどね。
 大好物のペロルだけど、ほんとは二個も食べればお腹がはち切れそうなくらい満腹になってしまうのだ。
 食べられる時に食べておこうとついつい欲張ってしまうのは、野良暮らしで染み付いたわたしの悪いくせ。レリウスさまに飼われた今となっては、もう食うに困らないのだから、徐々に直していかなくちゃ。
 ……よーし。二本目を強請るのは今日を最後にして、これからは一本で我慢するようにしよう!
 ところがだ、ペロルをペロペロするのを再開した途端に決意が揺らぐ。
《ふみゃ~っ(ペロルうまうまうま~っ)》
 ……う~ん、こんなにおいしすぎる魔法のおやつを前にして二本目を強請らないなんて、できるかなぁ……うん、やっぱり無理!
《みゃあっ(レリウスさま、また次も、二本目をちょうだいね!)》
「よしよし、そんなにうまいか。ゆっくり食べるんだぞ」
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