一途な部長は鈍感部下を溺愛中


「ぶぶぶ部長」

「んー?」


応える声が砂糖を煮つめたように甘い。

次の言葉を考えているうちに、ちゅ、ちゅ、と幾度か首裏に唇を落とされ、「ぎゃっ」と私は猫のように飛び上がった。


その拍子に瞬きの間部長から解放されるが、すぐにまた捕まえられ、今度は向かい合うように抱きしめられる。


はあ、と熱っぽい息が耳に吹きかかり、動転のあまり意識を失ってしまうかと思った。


(むりむりむり、腹なんて括れるわけがなかった!)


やっぱりもう少し心の準備が必要だった。せめて、今日の朝にこうなることが分かっていればもう少しどうにかなったかもしれないのに。


ここは戦略的撤退を……! 少し力を込めて胸板を押すと、きょとりとあどけない瞳がこちらを見た。


「ぶ、部長……今日はもうお疲れではないですか……?」

「びっくりするくらい元気だが」


即答だ。


「びっ、びっくりするくらい……。でもあの、その、えっと、私は結構眠くなってきちゃったかもしれないなあ〜……なんて」


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