一途な部長は鈍感部下を溺愛中
部長はそんな私をじろりと睨めつけた。
「……あのなあ。今のは完全に承諾のセリフだったぞ」
「いやでも、心の準備は出来てないんです! せ、せめてお風呂に入らせてください……」
「……一緒に入る選択肢は?」
「そんなことされたら爆発します……」
か細い声で訴えれば、部長は逡巡した後で「分かった」と私から離れ、立ち上がった。
「それで君の覚悟が決まるなら、可愛い君の頼みだからな。聞き入れよう」
立てるか? と優しい声で手が差し伸べられる。
私はちょっぴりホッとしながら、素直に自分の手を重ねた。
「わっ」
するとそのまま手を引かれ、部長の方へ倒れ込みそうになる。
部長はそんな私の腰を片手で支えると、上から覆い被さるように私の唇にキスを落とした。
ぷちゅ、と空気が弾ける音がして、薄い唇は直ぐに離れる。しかし去り際、唇のあわいをぺろっと熟れた舌で舐め取られ、扇情的な眼差しで笑まれて、私は、私は……。
「おおお風呂お先ですッ!」
ムードをぶち壊すような音を立てて、どこもかしこもピカピカなバスルームに篭城したのだった。