一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「覚めました覚めました覚めました!」
「……そんなに逃げなくても」
むう、と拗ねた顔を作る部長。でも騙されてはいけない。可愛いとか! 思ってはいけない!
もう、物理的に後に退けない私の前まで追いかけてきた部長が、真っ赤な顔のまま目を見開いて固まる私の頬をつつく。
熱いな。可笑しそうに白い歯を見せて笑った部長が、よしよしと私の頭を撫でた。
「ここまで来て、そんなつもりありませんでした〜、なんて言われたら、またちょっと意地悪したくなるけどな」
「う……」
「でも、本当に嫌だって言うなら、我慢してやろう。君に嫌われるのが一番困るからな」
そう言いながらも、たまに耳殻を掠めていく指先が妖しい。
気を抜くと変な声が出てしまいそうで、私は暫く俯きながらその悪戯な指先に耐えた。
「き、嫌うとかは、無いです」
「そうか。じゃあ早速ベッドに行こう」
「ままままま待ってください!!!」
こちらを受け止めるようだった穏やかな笑顔をケロッと変え、私を横抱きにしようと膝裏に腕を差し込んできた部長に暴れて抵抗する。