一途な部長は鈍感部下を溺愛中


意地悪だ。


ちらりと見遣ると、君が悪いんだぞ、と責めるような視線が返ってくる。


ばつが悪くなって、私はふいと視線を逸らした。


「……私、今日は家に帰りますね」


ずっと考えていたこと。


だけど、口にした瞬間、鉛を飲み込んだように体が重たくなった。


この一週間弱で、すっかり部長が近くにいる生活に慣れてしまった自分が怖い。


これ以上一緒にいると、帰宅した時の寂しさがどんどん膨れ上がってしまいそうだったから、一度帰ろうと思った。部長の家にいると、部長がすぐに私を甘やかしてくるから、ついついダラダラしてしまうし。


「なんだか、沢山お世話になっちゃってごめんなさい。でもすっごく楽しかったです!」


素敵なプレゼントも頂いてしまったし……と、染み付くように青い空に手を翳す。きらりと指輪が雪のように輝いた。


そういえば、まだ指輪を貰ったことゆかりに報告してないや。びっくりするだろうなあ。


先を越されるなんて! って怒るかな、なんてニマニマしながら考え、ふと、隣の存在がずっとだんまりなことに違和感を覚える。


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