一途な部長は鈍感部下を溺愛中
ごろごろ大きな牛肉の塊と、艶のあるデミグラスソースにとろとろの卵。
出来立てほやほやのオムライスを大きな一口に放り込みながら、「さっちゃんさあ」と横山くんが切り出した。
「部長と何かあったの?」
「……やっぱり、そう思う?」
当然の疑問だ。ちらりと上目で見遣ると、横山くんはちょっと首を傾げた。
「まあ、明らかに部長の前でだけちょっと様子おかしいから」
「だよね……」
「もしかして、何か嫌な事された?」
剣呑な表情になった横山くんに、あらぬ疑いをかけられてしまいそうになっている部長を庇うように否定した。
「ち、違うの! 本当に、東雲部長は悪くなくて……私の、問題で」
「ふうん?」
どこか納得いかなそうな顔をしながらも、また食事を再開した横山くんは、しかし私の次の言葉に咳き込んだ。
「ちなみに、人事部以外の部署って……どう思う?」
「ゴホッ、ケホッ……え!? ど、どうって……」
大きな瞳が零れ落ちてしまいそうなほど目を見開く横山くん。
確かに脈絡のない質問だったかもしれないけど、そこまで驚く? と不思議に思いながらも、私は続けた。