俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
「そうならないようにこういった劇場の警備は、騎士団が担当している。恐らく、第二騎士団だったかな。ここに入場するにも、何重にも確認をされただろう?」

「あ、はい。そう言われればそうですね。なるほど。こういった劇場に来て芝居を観るような人には、お金持ちが多いですからね。いかにも狙ってください、と言っているようなものですよね」

 相変わらずモニカの話には賊が登場してくる。そういった賊から民たちを守るのが騎士団の仕事の一つでもあるのだが。

「モニカ。芝居が始まる前からそんなにはしゃいでいては疲れてしまうだろう。こちらに座ったらどうだ? 飲み物は?」

「あ、はい。いただきます」

 モニカはカリッドの隣に座り、彼から飲み物を受け取った。

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