俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
「モニカ、座ってくれ。これは騎士としての任務ではない」

「いえ、ですが。団長の恋人役というのは任務ですよね」

「そう、だが。そう、いや、ま。その、あれだ。恋人役が恋人役とばれないような任務だ。だから、君が俺のことを団長と呼んでしまっては、偽物の恋人であることがばれてしまうだろう」

「つまり、任務遂行のため、団長のことは団長と呼んではならない、ということですね」

「そうだ、任務遂行のためだ」
 とにかく座れ、と言われたモニカは、もう一度ふかふかソファに身を沈めた。すると、カリッドが距離を縮めてその隣に座る。

「だ、団長。距離が近いです」

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