俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
「だから、団長と呼ぶな」

「でしたら、なんとお呼びすればよろしいのですか? カリッドさま? カリッドさん? さすがに呼び捨てはできません」

「リディ……と」

「え?」

 思わず大きな声で聞き返してしまったモニカだが、どうやらそれがカリッドの耳の近くだったようだ。彼は耳を押さえながら、モニカに視線を送る。

「あ、すいません。団長。つい」

「だから、団長ではない。俺のことはリディと呼べ。これから君が私のことを団長と呼ぶたびに……。そうだな、口づけをしよう」

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