ママの手料理 Ⅱ
頭の中には疑問ばかりが浮かぶけれど、今はそれよりも此処から早く脱出しなければ。
きゃあ、とか何とか言っている紫苑ちゃんに、
「揺れるから、しっかり掴まってて!」
とだけ伝えた俺は、仁と共に廊下を駆け出した。
いつの間にか、階下の戦闘音は何も聞こえなくなっていて。
紫苑ちゃんの髪に付けられたピンク色の蝶の髪飾りが、やけに俺の目を奪った。
紫苑ちゃんを抱きかかえながら1階に降りると、血特有のあの鉄の匂いが鼻をついた。
廊下に出る前から、見るも無惨な光景が想像出来る。
「ごめん紫苑ちゃん、良いよって言うまで目瞑ってて。絶対に目を開けないで」
OASISとの戦闘の際、彼女は誘拐されていたから数人の死体しか見ていない。
けれど、今回のはそれとは比にならない数だ。
俺の真剣な声を聞いた彼女は、こくりと頷いてきつく目を瞑った。
「……ねえ、君達とドローンは先に行ってて貰える?僕は生存者が居ないか確認してから行くからさ」
背後から仁の震えた声が聞こえ、俺は振り返る。
片手に銃を握り締めた仁は、臭いにやられたのか今にも吐きそうな顔をしていた。
「ちょっ……じゃあ先行ってるけど、仁は大丈夫、?」
真っ青な顔をして唇を震わせた彼は、何とか頷いた。
きゃあ、とか何とか言っている紫苑ちゃんに、
「揺れるから、しっかり掴まってて!」
とだけ伝えた俺は、仁と共に廊下を駆け出した。
いつの間にか、階下の戦闘音は何も聞こえなくなっていて。
紫苑ちゃんの髪に付けられたピンク色の蝶の髪飾りが、やけに俺の目を奪った。
紫苑ちゃんを抱きかかえながら1階に降りると、血特有のあの鉄の匂いが鼻をついた。
廊下に出る前から、見るも無惨な光景が想像出来る。
「ごめん紫苑ちゃん、良いよって言うまで目瞑ってて。絶対に目を開けないで」
OASISとの戦闘の際、彼女は誘拐されていたから数人の死体しか見ていない。
けれど、今回のはそれとは比にならない数だ。
俺の真剣な声を聞いた彼女は、こくりと頷いてきつく目を瞑った。
「……ねえ、君達とドローンは先に行ってて貰える?僕は生存者が居ないか確認してから行くからさ」
背後から仁の震えた声が聞こえ、俺は振り返る。
片手に銃を握り締めた仁は、臭いにやられたのか今にも吐きそうな顔をしていた。
「ちょっ……じゃあ先行ってるけど、仁は大丈夫、?」
真っ青な顔をして唇を震わせた彼は、何とか頷いた。