ママの手料理 Ⅱ
「ありがとう、すっごい嬉しい!これでいつでも時間が分かるよ!」
「痛み入ります」
0823番は、にっこりと微笑み。
「こちらの丸いボタンを押すと、“パスワードを入力して下さい”という画面が出てくるのですが…。こちらは何の意味もありませんので、押さないようにお願い致します」
実際に丸いボタンを押してみせながら、そう教えてくれた。
「分かった!」
そう答えた私は、スマホを優しく撫でた。
もう、私の気持ちは夕飯なんてそっちのけでスマホ一筋だ。
「それとですね、こちらに指をスクロールして頂くと、」
私に近寄ってきた心優しい下僕が、私の画面を操作する。
すると画面が切り替わり、目の前の景色が映し出された。
「え!?」
「後ろのこの部分と前のこの部分がレンズになっておりまして、写真と動画を撮ることが出来ます」
彼女はそう説明しながら、壁にスマホのレンズを向けてボタンを押した。
カシャッ、と音がして、写真が撮れた音がする。
「え、何この機械凄いね!その写真は見れないの?」
すっかり興奮した私がそう尋ねると、
「…申し訳ございません、こちらで撮った写真や動画は見る事が出来ないのです。ただ、撮った事で満足していただければ、と」
彼女は眉を下げ、すまなそうな顔をした。
「痛み入ります」
0823番は、にっこりと微笑み。
「こちらの丸いボタンを押すと、“パスワードを入力して下さい”という画面が出てくるのですが…。こちらは何の意味もありませんので、押さないようにお願い致します」
実際に丸いボタンを押してみせながら、そう教えてくれた。
「分かった!」
そう答えた私は、スマホを優しく撫でた。
もう、私の気持ちは夕飯なんてそっちのけでスマホ一筋だ。
「それとですね、こちらに指をスクロールして頂くと、」
私に近寄ってきた心優しい下僕が、私の画面を操作する。
すると画面が切り替わり、目の前の景色が映し出された。
「え!?」
「後ろのこの部分と前のこの部分がレンズになっておりまして、写真と動画を撮ることが出来ます」
彼女はそう説明しながら、壁にスマホのレンズを向けてボタンを押した。
カシャッ、と音がして、写真が撮れた音がする。
「え、何この機械凄いね!その写真は見れないの?」
すっかり興奮した私がそう尋ねると、
「…申し訳ございません、こちらで撮った写真や動画は見る事が出来ないのです。ただ、撮った事で満足していただければ、と」
彼女は眉を下げ、すまなそうな顔をした。