LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
「分かった。
その成瀬遥に今から電話してあげるから、文乃が直接成瀬遥に夕べの事を聞いたら?」


そう言って、永倉副社長はダイニングテーブルに置いていた彼のものだと思うスマホを手に取った。


「え、ちょっと待って!」


そんな浮気相手に、いきなり電話なんて!


私はもうこの人の奥さんだけど、
永倉副社長の気持ち的に浮気は私で、本命はその成瀬遥さんなのではないだろうか?


だから、本当は三咲はあなたとなんか結婚したくなかったのに、とか、その成瀬遥さんに上から言われたりしないだろうか?


永倉副社長はその電話をオンフックにしたのか、
コール音が響く。


『…はい』


そう言って、電話に出たのは、男の人で。


「え、誰?この人?!」

そう、声が出た。


『あれ?三咲じゃないの?』


私の声が聞こえたのか、その電話の相手はそう返して来る。



「成瀬君、ごめんね。
用はないんだけど。
なんか、うちの奥さんが成瀬君との仲を誤解してて。
ほら、LINEの通知を中途半端に見たみたいで」


成瀬…君?


『誤解?
ああ、なるほど。
この成瀬遥って女性は一体誰なのよ?って?』


もしかして、遥ってこの男性の名前だったの?


「そうそう。そんな感じ。
夕べ、成瀬遥さんの家に泊まったんでしょ?って、怒っててね。
なんでか、成瀬君はシングルマザーって事になってて、
子供を俺に懐かせてるとか迄言われて。
俺、面白くて笑い耐えるのに必死で」


アハハ、と、永倉副社長とその成瀬さんは、二人で笑っている。



私が誤解していたのは、嫌な程分かった。


『でも、三咲、お前奥さんに俺の家に泊まる事連絡してなかったのか?』


「うん。うち、そんな感じじゃないから」


確かに、私と永倉副社長は、そんな感じじゃないかもしれないけど。


『ふーん。
まあ、風邪気味っぽいから、妊娠している奥さんに移したらダメだと思って、俺の家に急遽泊まりに来たなんて、
照れ臭くて言えないか』


え、そうなの?


永倉副社長の顔を見ると、プイ、っと私から顔を逸らした。



「成瀬君、余計な事言わなくていいから」


『喧嘩してるなら、とりあえず仲直りしたら?』


「うるさい。もう切る」


そう言って、ブチッと永倉副社長はその電話を切った。


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