LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~


「え、なに?
もしかして、文乃ちゃん俺の事も狙ってる?」


「いえ!絶対にないです!!」


「そんな言い切らなくても」


そう、アハハと笑っている。


そうやって、茶化して質問を交わされるのかと思ったけど。



「俺は、俺自身がけっこうヤバい事しちゃってるから。
バレたら警察に捕まるような事とか。
だから、かな

結婚とかしないのは」


そう、けっこう真剣に答えてくれた。


「ヤバい事って、何ですか?」


訊かない方がいいような気がするけど、訊いてしまった。


興味心かな。


「人殺しとか」


「え、ひとごろしって…えっ…」


嘘、でしょ?



「なーんて、冗談なのに。
文乃ちゃん、マジになってる」


そう言って笑っていて。


そうやってからかわれた事に、腹が立つよりも、ホッとしていた。


冗談で、良かったって。



「でも、みー君はその辺り本当に真っ白だから。
もしかしたら、未成年の時に羽目を外して喫煙や飲酒くらいはあるかもしれないけど。
子供の時万引きすら、した事なかったな」


そう笑う岡崎社長は、兄の顔で。


本当に、弟である永倉副社長の事が大好きなんだな、って思った。



「でも、不倫はしてるんですよね?」


「みー君が?」


「前に岡崎社長が、永倉副社長はお色気たっぷりの人妻が好きだって言ってたじゃないですか?」


「ああ。
みー君、人妻ものが好きなんだよ」

人妻もの?!なにそれ?


「後、女教師ものも好きだったなぁ」


なんとなく、意味が分かった。


「実際の所は、俺もそこまでみー君の女性の趣味はよく知らないんだけどね。
まあ、俺の女性の趣味は、香苗女史のような知的で美人な女性なんだけども。
芸能人で言ったら、失敗しないフリーランスの女医の役やってる女優さんとか」


「岡崎社長の女性の趣味は、どうでもいいです」

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